ASUSのハイエンドコンパクトが…
もばにゅ~編集部スタッフです。
先日、Twitterランドを見て回っていると気になる内容が目に入りました。
それは
Zenfone8が起動しなくなる
というもの。
Zenfone8は2021年8月20日発売のASUS製ハイエンドコンパクトモデルです。
前年のZenfone7の特徴を継いだフリップカメラ搭載Zenfone8 Flipと同時に発表され、フリップカメラを搭載しない代わりに5.9インチ有機EL搭載の小型高性能モデルとして併売されています。
製品サイト:https://www.asus.com/jp/Mobile/Phones/ZenFone/Zenfone-8/
大型画面のトレンドが根強い昨今、高性能SoC「Snapdragon 888」を搭載し5.9インチサイズに収めた片手で使えるハイエンドスマホは珍しく、SIMフリー端末を愛用している方にも需要があるZenfone8
ですが、およそ1ヶ月ほど前から「Zenfone8が起動しなくなった」という報告が各所で上がり始めます。
突然、リカバリーモードのような画面になり…
まず使用中、充電中、使用していないなどの状態に関わらず電源が落ちたあとで…
電源を入れると上記のような通常時にユーザーが見ることがない、コマンドプロンプトのような画面が表示され、ずっとこの状態が続く。とのこと。
一見するとAndroidのリカバリーモードにも似ていますが、定番のメンテナンス中のドロイド君は表示されていませんので、Android OSが表示しているわけではないようです。
どちらかというとパソコンのBIOS画面に近く、ハードウェアの制御管理用の画面に類似しています。
またこの表示の中に「ramdump」という表記があることから、一般的に
Zenfone8 ramdump問題
と、ネットでは呼ばれています。
この表示になると、ユーザーでの回復は不可能
(海外コミュニティredditより)
原因はハッキリとしていませんが、分かっているのは「ユーザー側ではどうにも出来ない」という事。
通常、エラーや機動不良が起きた場合はAndroidのリカバリーモードに入り初期化を行うことで復帰が見込める事が殆どですが、この症状ではリカバリーモードにも入れないため、完全にお手上げです。
パソコンで言えばマザーボードの故障と同じような状態ということでしょうか?
表記の[ramdump]自体に意味があるかはわかりませんが、メモリを指すRAMと捨てる・放り出すを意味する単語のDumpが合わさっていることを考えると、メイン基板に設置された記憶領域、処理領域に不具合を抱えているのではないか、と感じます。
ASUS JAPANは当初「日本国内正規品に問題はない」とした
ASUSはグローバル企業ですので、このZenfone8は世界規模で販売されています。
販売地域の事情に合わせてマイナーチェンジが行われているので、同じZenfone8でも
・グローバルモデル
・国内正規品
この2タイプが存在し、当初ASUSは「グローバルモデルには不具合の可能性がある」としたものの、既に有志ユーザーがASUSに回答を求めている中で「国内正規品では問題はない」としていました。
また、その回答の中では
・特定の期間に製造された部品を使用したモデルで問題が報告されている。
・その殆どがグローバル版に使用されている。
・そのため、日本版では起こりにくいと考えられる
要約すると、このような内容となっていたようです。
しかし続々と国内正規品でも報告が上がる
ASUS JAPANから回答を得た有志ユーザーがブログにまとめた事で一時的に安堵の声が上がりますが…
この回答を疑問視する一部のユーザーがいることも事実でした。
まず第一に
・ramdumpの報告を上げているユーザーは国内版Zenfone8である
ここが一番のポイントでしょう。
もちろんSNSの情報ですから、自称しているというレベルに収めるべきかもしれません。
しかしそれにしては数が多く、中にはASUSストアから買った履歴も一緒に載せているユーザーもいます。
そうなると、ASUSの回答内容が波紋を広げ、更に過熱していきます。
またどのような結果になったとしてもユーザーに残された選択肢は2つしかありません。
・メーカーで本体交換
・機種を変える
それだけにユーザー間では「リコール」や「販売停止」など、真っ当かつ安定路線の対応をしないと信用回復は見込めないという評価が広まっています。
ramdump問題への対応
ASUSの日本法人「ASUS JAPAN」では問い合わせのうえで、状況を判断し新しい本体への交換を案内しています。
殆どの場合では無料で対応をしているそうですが、使用状況には個人差がありますので絶対とは言い切れません。
基本的な精密機器の保証規定に則った対応となるのは、現状では免れないでしょう。
まだメーカー側で「完全な不良製品である」という特定は行われていないというスタンスです。
しかしスマートフォンの製品寿命に期待される2年を大きく下回る3ヶ月程度の期間で、問題が報告されるとなると買い控えも少なからず発生しますし、あまり自己保身的な対応を行うと今後の信用にも傷を残します。
幸いといいますか、日本国内でのシェア率は他のブランドに比べ低いため、今のところは一部のユーザー間でのみ話題になっている印象ですが、過去の販売戦略である「低価格多売」から「高品質」方面にシフトチェンジをしたZenfoneブランドに影を落とす結果にだけはならないことを期待します。